新宿オークタワー歯科クリニックです。
お子さまの歯ブラシ選びに悩んでいませんか?「たくさんの種類があるけれど、いったいどの歯ブラシを選べば良いの?」「うちの子の年齢に合った歯ブラシはどれだろう?」といった疑問は、多くのお父さんやお母さんが抱えていることと思います。
このコラムでは、0歳の赤ちゃんから小学生のお子さままで、それぞれの成長段階に合わせた最適な歯ブラシの選び方を、分かりやすく具体的にお伝えします。最適な歯ブラシを選ぶことで、お子さまが歯磨きを嫌がることなく、大切な歯を虫歯からしっかりと守るための知識を身につけられます。ぜひ最後までお読みいただき、今日から実践できる歯ブラシ選びのヒントを見つけてください。
まずは知っておきたい!子どもの歯ブラシ選び5つの基本ポイント
お子さまの成長に合わせた歯ブラシ選びは、虫歯予防の第一歩です。しかし、小さなお子さまの口はデリケートで、大人とは異なる配慮が必要になります。数ある歯ブラシの中から、お子さまに最適な一本を選ぶためには、いくつかの基本的なポイントを押さえておくことが大切です。
これからご紹介する「ヘッドの大きさ」「毛のかたさ」「毛先の形」「柄の形」「デザイン」という5つのポイントは、すべての年齢のお子さまの歯ブラシ選びに共通して重要となります。これらのポイントを理解することで、お子さまの歯や歯ぐきを傷つけることなく、効果的に歯垢を取り除き、快適な歯磨きを習慣づけることができるでしょう。
それぞれのポイントが、お子さまの口の健康にどのように関わってくるのか、具体的な選び方と合わせて詳しく解説していきます。お子さまの成長段階に合わせた最適な歯ブラシを見つけるための参考にしてください。
1. ヘッドの大きさ:お口のサイズに合わせるのが基本
子どもの歯ブラシを選ぶ際に最も重要なのが「ヘッドの大きさ」です。お子さまの口は小さく、大人の歯ブラシでは奥歯や細かい部分に届きにくく、磨き残しの原因になってしまいます。お子さまの小さな口に合わせたコンパクトなヘッドを選ぶことで、奥歯の溝や歯と歯の間、歯ぐきの境目など、複雑な部分にも歯ブラシの毛がしっかりと届き、効率的に歯垢を除去することができます。
具体的な目安としては、歯ブラシのヘッドの幅が「お子さまの上の前歯2本分」程度、または「縦3列に植毛された小さめのサイズ」が推奨されます。このサイズであれば、口の中で小回りが利き、磨きたい場所に正確にブラシを当てやすくなります。ヘッドが大きすぎると、口を大きく開けられないお子さまにとっては苦痛となり、嘔吐反射を引き起こす原因にもなりかねません。また、奥歯の裏側や歯の裏側など、細かい部分に毛先が届かず、磨き残しが増えてしまうこともあります。
お子さまが快適に歯磨きできるよう、お口のサイズにぴったりのヘッドを選ぶことが、毎日の歯磨きをスムーズに進めるための基本となります。
2. 毛のかたさ:歯や歯ぐきを傷つけない「ふつう」か「やわらかめ」
歯ブラシの「毛のかたさ」も、子どもの歯ブラシ選びにおいて非常に大切な要素です。子どもの歯ぐきは大人に比べてデリケートで傷つきやすいため、基本的には「ふつう」または「やわらかめ」の毛のかたさが推奨されます。「かため」の歯ブラシは、歯や歯ぐきを傷つけるリスクが高く、お子さまには適していません。
「ふつう」の毛のかたさの歯ブラシは、歯垢除去能力が高く、健康な歯ぐきのお子さまに適しています。特に口腔内に問題がない場合は、効率的に歯垢を落とせる「ふつう」を選ぶと良いでしょう。一方、「やわらかめ」の歯ブラシは、歯ぐきへの刺激が少ないため、歯ぐきが敏感なお子さまや、歯磨きを嫌がるお子さまが歯磨きに慣れるために導入するのに適しています。初めての歯ブラシや、歯ぐきから出血しやすい場合にも「やわらかめ」から始めるのが安心です。
「かため」の歯ブラシは、歯のエナメル質を傷つけたり、歯ぐきを退縮させたりする原因となることがあります。お子さまのデリケートな口を守るためにも、必ず「ふつう」か「やわらかめ」を選び、お子さまの歯ぐきの状態や歯磨きへの慣れ具合に合わせて最適な毛のかたさを判断してください。
3. 毛先の形:歯垢除去力が高いものを選ぼう
歯ブラシの「毛先の形」は、歯垢除去の効率に大きく影響します。主に、毛先が平らに揃っている「平らな(ラウンド)カット」と、毛先が細くなっている「テーパード毛(極細毛)」の2種類があります。
「平らなカット」の歯ブラシは、歯の表面に広く均一に当たるため、歯の表面の歯垢を効率的に取り除くのに優れています。比較的シンプルな歯並びのお子さまや、基本的なブラッシングに適していると言えるでしょう。一方、「テーパード毛」は、その細い毛先が歯と歯の間や歯周ポケット、奥歯の溝といった、通常の毛先では届きにくい狭い隙間に深く入り込み、隠れた歯垢をかき出すことに長けています。特に、乳歯と永久歯が混在し、歯並びが複雑になる学童期のお子さまには、テーパード毛が非常に有効です。
お子さまの口内環境は成長とともに変化します。歯の生え方や歯並びの状態に合わせて、歯垢除去効果を最大限に引き出せる毛先の形を選ぶことが、虫歯予防につながります。
4. 柄(持ち手)の形:子どもの握りやすさと親の仕上げ磨きのしやすさ
歯ブラシの「柄(持ち手)」の形は、お子さま自身が磨く「自分磨き用」と、保護者の方が磨く「仕上げ磨き用」で選ぶポイントが異なります。
「自分磨き用」の歯ブラシは、お子さまの小さな手でもしっかりと握れることが重要です。そのため、柄が太めで、滑りにくいようにラバー素材などのグリップが付いているものが適しています。鉛筆のように細い柄では、お子さまが十分に力を入れて握ることが難しく、うまく磨けないことがあります。持ちやすい歯ブラシは、お子さまが歯磨きに意欲的に取り組むきっかけにもなります。
一方、「仕上げ磨き用」の歯ブラシは、保護者の方が細かく操作しやすい形状が求められます。具体的には、長くてスリムな「ストレートハンドル」がおすすめです。これにより、保護者の方が鉛筆を持つように歯ブラシを握り、お子さまの口の奥までしっかりと届かせ、細かく小刻みに動かすことができます。柄が太すぎると、口の中で死角ができやすくなったり、手元が不安定になったりすることがあります。
それぞれの用途に合った柄の歯ブラシを選ぶことで、お子さまは楽しく自分磨きができ、保護者の方は効率的かつ安全に仕上げ磨きを行うことができ、歯磨きの効果を最大限に高めることができるでしょう。
5. デザイン:歯磨きが楽しくなる工夫も大切
お子さまにとって、歯磨きは毎日欠かせない大切な習慣ですが、中には歯磨きを嫌がる子も少なくありません。そんな時に役立つのが、歯ブラシの「デザイン」です。お子さまが好きなキャラクターが描かれていたり、カラフルで可愛らしいデザインの歯ブラシを選んだりすることで、歯磨きへの興味やモチベーションを大きく高めることができます。
お気に入りの歯ブラシを使うことで、「歯磨きは楽しいもの」というポジティブなイメージをお子さまに与え、自ら進んで歯磨きに取り組むきっかけにもなります。保護者の方が「どれにする?」と、お子さまに歯ブラシを選ばせるのも良い方法です。
ただし、デザイン性ばかりを重視してしまい、これまでに説明してきた「ヘッドの大きさ」や「毛のかたさ」といった機能面が疎かになってしまわないように注意が必要です。あくまで、お子さまの口内環境に適した機能を持つ歯ブラシであることが大前提です。その上で、お子さまが毎日楽しく歯磨きを続けられるような、魅力的なデザインの歯ブラシを選んであげてください。歯磨きの時間を「楽しい時間」に変える工夫として、デザイン選びは非常に有効な手段の一つです。
【年齢別】子どもの成長に合わせた歯ブラシの選び方
子どものお口の中は、目覚ましい速さで変化していきます。乳歯が生え始め、生えそろい、そして永久歯へと生え変わるまで、歯の生え方や顎の大きさは成長段階によって大きく異なります。そのため、いつの時期も同じ歯ブラシを使っていると、磨き残しが増えたり、適切にケアできなかったりする可能性があります。
このセクションでは、そんな子どもの成長に合わせた歯ブラシ選びのポイントを詳しくご紹介します。「0〜2歳」の乳幼児期、「3〜5歳」の幼児期、そして「6〜12歳(小学生)」の学童期という3つのステージに分けて、それぞれの時期のお口の特徴と、それに最適な歯ブラシ選びのヒントを具体的に見ていきましょう。
お子さまの成長段階にぴったりの歯ブラシを見つけることで、毎日の歯磨きがより効果的になり、大切な歯を虫歯からしっかりと守ることに繋がります。
【0歳~2歳向け】歯磨きに慣れる時期の選び方
0歳から2歳までの乳児期は、お子さまが本格的な歯磨きを始める前の大切な準備期間です。この時期の歯磨きの主な目標は「歯をきれいに磨くこと」よりも、まずはお口の中に歯ブラシが入ることに慣れてもらうこと、そして歯磨きへの抵抗感をなくすことにあります。
特に安全性を最優先に考え、お子さまのデリケートな歯ぐきや口の粘膜を傷つけない製品を選ぶことが非常に重要です。次の項目では、歯が生える前と歯が生え始めた後の2つのステップに分けて、この時期におすすめの具体的なケア方法と歯ブラシの選び方をご紹介します。
歯が生えるまで(0~8ヶ月頃):ガーゼやシリコン歯ブラシで口に触れる練習
まだ歯が生えていない生後0ヶ月から8ヶ月頃のお子さまの口腔ケアは、主に「お口に触られること」に慣れてもらうことが目的です。授乳後やお風呂上りなど、リラックスしているタイミングで、湿らせた清潔なガーゼや綿棒を使って、お子さまの歯ぐきを優しく拭いてあげましょう。これにより、お口の中に何かが入る感覚や、歯ぐきが触れられる感覚に自然と慣れることができます。
この時期には、歯が生え始める前の歯ぐきのむずがゆさを和らげる「歯がため」としても使える、安全なシリコン製の指サック型歯ブラシや、万が一のど奥まで入ってしまわないように「のど突き防止プレート」が付いた歯ブラシもおすすめです。これらを活用することで、本格的な歯磨きへとスムーズに移行するための大切なステップとなります。お子さまが楽しんでお口のケアに取り組めるよう、焦らずゆっくりと慣れさせてあげることが大切です。
歯が生え始めたら(8ヶ月~2歳頃):安全性を重視した歯ブラシへ移行
生後8ヶ月頃から乳歯が生え始めると、いよいよ本格的な歯磨きがスタートします。この時期のお子さまは、歯ブラシを噛んでしまったり、予測できない動きをすることが多いため、歯ブラシ選びでは何よりも安全性を重視しましょう。
具体的には、誤って喉の奥まで入ってしまうのを防ぐ「のど突き防止プレート」が付いているものや、万が一の時に口内を傷つけにくいよう、柄が曲がる柔らかい素材でできた歯ブラシを選ぶと安心です。ヘッドは乳児の小さなお口に合うよう、非常にコンパクトなものを選び、毛のかたさはデリケートな歯ぐきを傷つけない「やわらかめ」のナイロン製が適しています。この時期は、お子さまが自分で磨くのはまだ難しいので、必ず保護者の方による丁寧な仕上げ磨きが必要不可欠です。
【3歳~5歳向け】自分で磨き始める時期の選び方
3歳から5歳頃の幼児期は、乳歯が生えそろい、お子さまが「自分で歯を磨きたい」という自主的な気持ちを芽生えさせる大切な時期です。この好奇心旺盛な時期を上手にサポートすることで、歯磨きを楽しい習慣として身につけることができます。
しかし、この年代のお子さまが自分で完璧に磨き上げるのはまだ難しいため、お子さま自身が使う「自分磨き用」と、保護者の方が磨き残しをしっかりとケアするための「仕上げ磨き用」の歯ブラシを使い分けることが重要になります。次のセクションでは、それぞれの歯ブラシの選び方と、この時期に特に意識したい歯磨きのポイントについて詳しく解説していきます。お子さまの虫歯予防において非常に重要な時期ですので、丁寧なケアを心がけましょう。
自分で磨く意欲を引き出す「自分磨き用」
お子さまが自分で使う「自分磨き用」の歯ブラシを選ぶ際には、まず「握りやすさ」が重要なポイントです。子どもの小さな手でもしっかりと安定して握れるよう、柄は太めで滑りにくいグリップが付いているものを選びましょう。これにより、お子さまは歯ブラシをコントロールしやすくなり、自分で磨く楽しさを感じやすくなります。
また、お子さまが歯磨きを好きになる工夫として、大好きなキャラクターが描かれたものや、カラフルな色の歯ブラシを選ぶのも効果的です。ヘッドの大きさは、引き続きお子さまの口のサイズに合ったコンパクトなものを選び、毛のかたさは「ふつう」が基本となります。ただし、この時期の自分磨きは、あくまで歯磨きに親しむことが主な目的です。お子さまがどれだけ上手に磨けたとしても、磨き残しは必ず発生するため、保護者の方による丁寧な仕上げ磨きが不可欠であることを忘れないでください。
奥歯の溝までしっかり磨くことが目標
3歳から5歳頃の幼児期の歯磨きで特に意識したいのは、虫歯になりやすい「奥歯(乳臼歯)」の溝をしっかりと磨くことです。乳臼歯は、その溝が深く複雑な形をしているため、食べかすや歯垢が溜まりやすく、虫歯になりやすい場所です。この時期の奥歯の虫歯は、将来の永久歯の健康にも影響を与えることがあるため、丁寧なケアが求められます。
奥歯まで確実に届き、しっかりと磨けるように、ヘッドが小さく設計された歯ブラシを選ぶことが大切です。保護者の方が仕上げ磨きをする際には、特に奥歯の噛み合わせの面や、歯と歯の間の狭い部分を意識して磨いてあげましょう。鉛筆を持つように歯ブラシを握り、軽い力で小刻みに動かすと、細かい部分も丁寧に磨けます。この時期に奥歯のケアを徹底することが、お子さまの将来の健康な歯を守るための重要な一歩となります。
【6歳~12歳(小学生)向け】永久歯が生えそろう時期の選び方
6歳から12歳頃の学童期は、お子さまのお口の中が大きく変化する重要な時期です。乳歯と永久歯が混在し、歯並びが凸凹になるため、食べかすが残りやすく、最も虫歯のリスクが高まります。この複雑な口内環境に対応できる歯ブラシ選びは、お子さまの歯の健康を維持するために非常に重要です。
このセクションでは、この時期ならではの口内環境に合わせた歯ブラシの選び方として、「凸凹の歯並びへの対応」と、特にケアが重要な「6歳臼歯」へのアプローチという2つのポイントに焦点を当てて詳しく解説していきます。適切な歯ブラシを選ぶことで、虫歯になりやすいこの時期を乗り切り、健康な永久歯列へと導くことができるでしょう。
乳歯と永久歯が混在する凸凹の歯並びに対応できるヘッドを
小学生のお子さまのお口の中は、乳歯が抜けたり永久歯が生え始めたりするため、歯の高さが不揃いで、歯並びが凸凹になりやすいのが特徴です。生えかけの背の低い永久歯や、グラグラしている乳歯など、デコボコとした状態では、歯ブラシが届きにくい部分が多くなり、磨き残しが増えがちです。
このような複雑な口内環境に対応するためには、ヘッドがコンパクトで薄く、小回りが利く歯ブラシを選ぶことが重要です。ヘッドが小さいことで、奥歯や前歯の裏側など、細かい部分にもしっかりと毛先が届きやすくなります。また、毛先が細くなっている「テーパード毛」の歯ブラシは、歯と歯の間や、高さの異なる歯の境目など、複雑な箇所の歯垢を効果的に除去するのに優れています。お子さまのお口の状態に合わせて、適切な形状の歯ブラシを選びましょう。
一番奥に生える「6歳臼歯」をケアできるものがおすすめ
学童期の口腔ケアで特に重要視されるのが「6歳臼歯(第一大臼歯)」のケアです。この6歳臼歯は、通常6歳頃に一番奥に生えてくる最初の永久歯であり、食べ物を噛み砕く上で最も重要な役割を担います。一度生えてしまえば一生涯使う大切な歯ですが、生え始めは背が低く、溝も深いため非常に虫歯になりやすい特徴があります。
そのため、この6歳臼歯にしっかりと毛先が届き、丁寧に磨ける歯ブラシを選ぶことが極めて重要です。具体的には、ヘッドが小さく、歯ブラシのネック(柄とヘッドの間の細い部分)が細いものがおすすめです。これにより、お口の奥にまでスムーズに歯ブラシを入れ込み、6歳臼歯の複雑な形や溝に沿ってしっかりと磨くことができます。さらに、ワンタフトブラシと呼ばれる、毛束がひとつになった小さなブラシを補助清掃具として活用することも、6歳臼歯の溝や歯並びの悪い部分のケアには非常に有効です。
仕上げ磨きはいつまで?専用歯ブラシの選び方とコツ
「うちの子、いつまで仕上げ磨きを続けたらいいの?」多くのお父さんやお母さんが、このような疑問を抱えているのではないでしょうか。子どもの歯磨きは、単に歯をきれいにするだけでなく、将来の歯の健康を左右する大切な習慣です。このセクションでは、保護者の方々が抱える仕上げ磨きに関する不安を解消できるよう、いつまで続けるべきかという期間の目安から、専用歯ブラシの選び方、そして効果的な磨き方のコツまでを詳しく解説していきます。この情報を知ることで、自信を持って子どもの口腔ケアに取り組めるようになり、お子さまの大切な歯を虫歯から守るための具体的な方法がきっと見つかるはずです。
子どものお口の中は成長とともに変化し、歯磨きの難易度も上がっていきます。特に乳歯と永久歯が生え変わる時期は、磨き残しによる虫歯リスクが高まります。そのため、お子さま自身による歯磨きだけでは不十分な部分を、保護者の方がしっかりとサポートしてあげることが非常に重要になります。ここでは、忙しい毎日の中でも実践しやすい、効率的で安心な仕上げ磨きの方法をお伝えします。
仕上げ磨きは12歳頃まで続けるのが理想
「仕上げ磨きはいつまで続ければいいの?」という疑問は、多くのお父さんやお母さんが抱える悩みの一つです。一般的に、子どもが自分一人で歯の隅々まで完璧に磨けるようになるのは、手先が器用になる10歳から12歳頃が目安とされています。つまり、永久歯がほぼ生えそろうこの時期までは、保護者の方による仕上げ磨きが非常に重要だと考えられています。
特に、乳歯が抜け始め、永久歯が生えてくる6歳から12歳頃は、お口の中が非常に複雑な状態になります。生えかけの永久歯は背が低く、歯ブラシが届きにくいため、磨き残しが多くなり虫歯になりやすい時期です。このような虫歯リスクの高い時期に保護者のチェックと仕上げ磨きを欠かさないことが、お子さまの将来の歯の健康を守る上で不可欠になります。
高学年になり、お子さまが自分で磨くことに自信を持つようになったら、毎日ではなく「磨き残しがないかを見てあげる」「デンタルフロスの使い方を一緒に練習する」といった形に役割を変えていくこともおすすめです。子どもの自立を促しつつも、大切な最終チェックは親の役目として、年齢に応じた関わり方を続けていきましょう。
仕上げ磨き用歯ブラシの選び方|子ども用との違いは?
保護者の方が行う仕上げ磨きは、お子さまの歯の健康を守る上で欠かせないケアです。このとき、お子さま自身が使う「自分磨き用」の歯ブラシと、保護者の方が使う「仕上げ磨き専用」の歯ブラシは、選び方のポイントが大きく異なります。仕上げ磨き用歯ブラシの最大の役割は、保護者の方がお子さまのお口の中を細かく操作し、磨き残しをしっかりと除去できるようにすることです。
仕上げ磨き用歯ブラシを選ぶ際の具体的な特徴は以下の3点です。
ヘッドが非常に小さいこと:子どもの小さなお口の奥まで届きやすく、一本一本の歯を丁寧に磨くことができます。
柄が長くストレートであること:保護者の方が「鉛筆持ち」で細かく動かしやすい形状になっています。これにより、適切な力加減で、狙った場所に歯ブラシの毛先を当てやすくなります。
ネックが細いこと:口の中を見ながら磨きやすいだけでなく、奥歯や歯の裏側など、見えにくい部分にもスムーズに届きます。
お子さま用の歯ブラシは、子ども自身が握りやすく、安全に使えるように太い柄やプレートが付いていることが多いですが、これでは保護者の方が細かく操作することが難しく、磨き残しにつながる可能性があります。そのため、効率的で丁寧な仕上げ磨きを行うためには、必ず専用の仕上げ磨き用歯ブラシを用意することをおすすめします。
親子でできる!正しい仕上げ磨きの姿勢とポイント
効果的な仕上げ磨きは、正しい姿勢と磨き方のポイントを押さえることで、お子さまも保護者の方も負担なく行うことができます。まず、最もおすすめする姿勢は、お子さまを保護者の方の膝の上に仰向けに寝かせる「寝かせ磨き」です。この姿勢であれば、お子さまのお口の中全体をしっかりと見渡すことができ、磨き残しをチェックしながら確実に歯垢を除去できます。もし寝かせ磨きが難しい場合は、保護者の方が後ろから抱きかかえるようにして、お子さまの頭を安定させると良いでしょう。
次に、磨き方のポイントです。以下の3点を意識して実践してみてください。
軽い力で磨く:歯ブラシを強く押し付けすぎると、歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。目安としては、歯ブラシの毛先が軽く広がる程度の150gくらいの力で磨きましょう。
小刻みに動かす:歯ブラシの毛先を2~3本の歯に当て、細かく振動させるように小刻みに動かします。これにより、歯の表面の歯垢を効率的にかき出すことができます。
1本ずつ丁寧に磨く:一本一本の歯を意識し、特に虫歯になりやすい奥歯の溝や、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目を重点的に磨きましょう。歯の裏側や、生えかけの歯も忘れずに丁寧に磨くことが大切です。
特に磨き残しが多い場所は、奥歯の噛み合わせの溝、歯と歯の間、そして歯と歯ぐきの境目です。これらの場所を意識して、歯ブラシの毛先が届いているかを確認しながら、優しく丁寧に磨いてあげてください。
子どもの歯ブラシ選びでよくある質問
これまで子どもの成長段階に合わせた歯ブラシの選び方や、仕上げ磨きの重要性について詳しく見てきました。ここからは、保護者の皆さまが日々のケアで抱きがちな歯ブラシに関する疑問について、Q&A形式でご紹介します。歯ブラシの交換時期や正しい保管方法、電動歯ブラシの使用、そして歯磨きを嫌がるお子さんへの対処法など、実践的な質問とその答えを通して、日々のケアにおける細かな悩みを解決し、お子さんの口腔ケアをより充実させるヒントにしていただければ幸いです。
Q1. 歯ブラシの交換時期はいつ?
歯ブラシは、毛先が広がってしまうと歯垢を効率的に除去する能力が大幅に低下してしまいます。また、使っているうちに雑菌が繁殖しやすくなるため、衛生面と機能面の両方から考えて、原則として「1ヶ月に1回」の交換が理想的です。特に、お子さんは歯ブラシを噛んでしまうことが多く、毛先が早く傷みやすい傾向にあります。そのため、1ヶ月経っていなくても、歯ブラシを裏側から見て毛先がヘッドからはみ出して見えるようになったら、それは交換のサインと捉えてください。毛先が開いた歯ブラシを使い続けると、きちんと磨いているつもりでも歯垢が残ってしまい、虫歯のリスクを高めてしまうことになりかねません。
Q2. 正しい歯ブラシの保管方法は?
歯ブラシを衛生的に保つためには、使用後の適切なケアと保管が非常に重要です。まず、歯磨きが終わったら、流水下で指を使って毛の根元までしっかりと洗い、食べかすや歯磨き粉が残らないように完全に除去してください。その後、歯ブラシの水をしっかりと切り、風通しの良い場所でヘッドを上にして立てて保管し、十分に乾燥させることが大切です。湿気が多い場所に放置したり、キャップやケースに入れたままにしておくと、雑菌が繁殖しやすくなります。また、他のご家族の歯ブラシと毛先が触れ合わないように保管することも、菌の伝播を防ぐ上で重要です。旅行などで持ち運ぶ際に使うキャップやケースは、あくまで一時的な使用に留め、自宅では通気性の良い場所での保管を心がけましょう。
Q3. 電動歯ブラシは使ってもいいの?
お子さんへの電動歯ブラシの使用については、メリットと注意点があります。電動歯ブラシは短時間で効率的に歯垢を除去できるという大きなメリットがある一方で、手用歯ブラシを正しく使うためのブラッシングスキルが身につく前に導入してしまうと、その後の歯磨き習慣に影響を及ぼす可能性も考えられます。もし電動歯ブラシを使用される場合は、お子さん自身に操作させるのではなく、必ず保護者の方が仕上げ磨きとして使うようにしてください。また、子ども用の柔らかいブラシを選び、歯に強く押し付けず、軽く当てるだけで磨くように心がけましょう。お子さんの口内環境や成長段階は一人ひとり異なりますので、電動歯ブラシの使用を検討する際は、かかりつけの歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けることを強くおすすめします。
Q4. 歯磨きを嫌がる子どもにはどうすればいい?
お子さんが歯磨きを嫌がる場合、無理強いは逆効果になってしまうことがほとんどです。まずは歯磨きを「楽しいこと」と関連付ける工夫をしてみましょう。例えば、お子さんが好きなキャラクターが描かれた歯ブラシや、香りの良い子ども用歯磨き粉を選んでみたり、歯磨きに関する絵本を読んだり動画を見せたりするのも効果的です。歯磨きの時間に好きな歌を一緒に歌ったり、終わった後にカレンダーにシールを貼るなどのご褒美を用意したりと、遊びの要素を取り入れることで、歯磨きに対する抵抗感を減らすことができます。また、保護者の方が楽しそうに歯磨きをする姿を見せることも、お子さんの歯磨きへの意欲を高めるきっかけになります。何よりも、歯磨きが終わった後には「きれいになったね」「よく頑張ったね」とたくさん褒めてあげることで、お子さんのモチベーションに繋がっていくでしょう。
まとめ:お子さまに合った歯ブラシ選びと定期的な歯科検診で健康な歯を守ろう
お子さまの成長に合わせた歯ブラシ選びは、健康な口内環境を育む上で非常に重要です。これまでご紹介してきたように、歯ブラシ選びには「ヘッドの大きさ」「毛のかたさ」「毛先の形」「柄の形」「デザイン」という5つの基本ポイントがあります。そして、0〜2歳の乳児期には「慣れること」を、3〜5歳の幼児期には「自分で磨く意欲を育むこと」を、そして6〜12歳の学童期には「複雑な口内環境に対応すること」を目標に、それぞれの年齢に合った歯ブラシを選ぶことが大切です。
特に、乳歯と永久歯が混在する学童期は、虫歯のリスクが最も高まる時期です。生え始めの永久歯や奥歯のケアには、小さく薄いヘッドで小回りの利く歯ブラシを選び、保護者の方による仕上げ磨きで磨き残しをしっかりとチェックしてあげてください。
そして、ご家庭での毎日の丁寧な歯磨きと仕上げ磨きと同じくらい大切なのが、歯科医院での定期的な検診とプロフェッショナルケアです。定期検診では、歯科医師や歯科衛生士がお子さまの口内環境を専門的な視点からチェックし、適切なブラッシング指導やフッ素塗布、シーラントなどの予防処置を受けることができます。セルフケアとプロケアの「両輪」で、お子さまの大切な歯を虫歯から守り、将来にわたって健康な歯を維持していきましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。
【所属】
・日本放射線学会 歯科エックス線優良医
・JAID 常務理事
・P.G.Iクラブ会員
・日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本歯周病学会 会員
・ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
・インディアナ大学 客員教授
・IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
・日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍
【略歴】
・東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
・小野瀬歯科医院 継承
・新宿オークタワー歯科クリニック 開院
新宿区西新宿駅徒歩4分の歯医者・歯科
『新宿オークタワー歯科クリニック』
住所:東京都新宿区西新宿6丁目8−1 新宿オークタワーA 203
TEL:03-6279-0018