歯垢は歯磨きで落ちない?正しい除去法とプロによるケアの違い|新宿・西新宿の歯医者|新宿オークタワー歯科クリニック

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歯垢は歯磨きで落ちない?正しい除去法とプロによるケアの違い

歯垢は歯磨きで落ちない?正しい除去法とプロによるケアの違い 新宿オークタワー歯科クリニックです。

毎日しっかり歯磨きをしているはずなのに、なぜか口の中がすっきりしないと感じたり、歯の表面のざらつきや口臭が気になったりすることはありませんか?その原因は、もしかしたらご自身のセルフケアだけでは落としきれていない「歯垢」にあるかもしれません。

歯垢とは一体何なのか、なぜ日々の歯磨きだけでは完全に除去できないのか、そして自宅で実践できる効果的なセルフケアと、歯科医院で受けられる専門的なプロケアにはどのような違いがあるのでしょうか。歯垢の正体から、ご自身の口腔ケアを見直すための具体的な方法、さらには専門家によるケアの重要性まで、深くご理解いただけます。健康で清潔な口元を目指すための一歩として、ぜひお役立てください。

「毎日歯磨きしているのに…」歯垢が落ちないと感じる理由

多くの方が「毎日歯磨きをしているから大丈夫」と思いがちですが、残念ながらそれだけでは不十分なケースがほとんどです。実際、歯ブラシだけを使った歯磨きでは、お口の中の汚れの約60%しか除去できていないと言われています。残りの約40%の汚れが、歯垢としてお口の中に蓄積され続けている可能性があるのです。

では、なぜ歯磨きだけでは歯垢を完全に落としきれないのでしょうか。その主な理由は、歯垢が特定の場所に残りやすい性質を持っているからです。特に「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」、そして「奥歯の複雑な溝」などは、歯ブラシの毛先が届きにくく、磨き残しが発生しやすい典型的な部位です。これらの場所は構造上、汚れが停滞しやすいため、意識的に丁寧に磨かなければ、歯垢はどんどん蓄積されてしまいます。

また、普段のブラッシング方法が自己流になってしまっている場合も、歯垢が落ちにくい原因となります。多くの方は、磨きやすい前歯や表側の歯を中心に磨いてしまいがちです。その結果、奥歯の裏側や歯並びの悪い部分など、磨きにくい場所に歯垢が残り、知らず知らずのうちに虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうことがあります。セルフケアの限界を知り、正しい知識を身につけることが、健康な口内環境を維持するための第一歩となります。

そもそも歯垢(プラーク)とは?歯石との違いと放置するリスク

効果的なオーラルケアを実践するには、歯垢と歯石の違いを正しく理解することが最初のステップです。歯垢と歯石は一見似ているため混同されがちですが、その正体や性質は全く異なります。このセクションでは、歯垢と歯石がそれぞれ何からできているのか、どのように形成されるのか、そしてこれらを放置することが口腔内だけでなく全身の健康にどのようなリスクをもたらすのかを詳しく解説していきます。

歯垢の正体は「細菌の塊」

歯垢(プラーク)は、単なる食べかすだと誤解されがちですが、実は粘り気のある白または黄白色の「細菌の塊」です。食事をしてからおよそ8時間で形成され始めると言われており、歯垢1mgの中には1億個以上もの細菌が存在しています。これらの細菌は、飲食物に含まれる糖分を分解して酸を作り出し、虫歯や歯周病の原因となります。歯垢は水に溶けにくく、強力な粘着性を持っているため、うがいをするだけでは除去できません。歯ブラシによる物理的な清掃が不可欠であり、毎日の正しい歯磨きでしっかりと取り除くことが重要です。

歯垢が硬くなった「歯石」との違い

歯石は、除去されずに放置された歯垢が、唾液に含まれるカルシウムやリンといったミネラル成分と結びつき、石のように硬く変化(石灰化)したものです。歯垢が歯石に変化するまでには、約2日間かかると言われています。一度歯石になってしまうと、歯に強固に付着するため、毎日の歯磨きでは絶対に除去できません。この点が歯垢との決定的な違いであり、セルフケアの限界でもあります。歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着しやすくなり、虫歯や歯周病を悪化させる原因となります。そのため、歯石は歯科医院での専門的な処置によって除去する必要があります。

要注意!歯垢が溜まりやすい場所

毎日歯磨きをしていても、歯垢が溜まりやすい場所はいくつか存在します。意識せずに磨いていると、どうしても磨き残しが生じてしまいがちです。特に注意すべき場所としては、次の4つが挙げられます。まず、「歯と歯の間」は歯ブラシの毛先が届きにくく、歯垢が溜まりやすい場所です。次に、「歯と歯茎の境目(歯周ポケット)」は、溝になっているため細菌が隠れやすく、歯周病の原因となります。また、「奥歯の噛み合わせの溝」は、複雑な形状をしているため食べかすや歯垢が残りやすい傾向があります。最後に、「歯並びが乱れている部分」は、歯が重なり合っていたりデコボコしていたりすることで、歯ブラシがうまく当たらず磨き残しが多くなりやすいです。これらの場所を特に意識して丁寧に磨くことで、歯垢の蓄積を防ぎ、口腔内を健康に保つことができます。

放置は危険!虫歯・歯周病・口臭の原因に

歯垢や歯石を放置することは、お口の健康にとって非常に危険です。主なリスクは、「虫歯」「歯周病」「口臭」の3つが挙げられます。まず、虫歯は歯垢の中の虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶かされることで発生します。歯垢が長時間歯に付着していると、エナメル質が溶かされ、やがて穴が開いてしまいます。次に、歯周病は歯垢が歯茎の炎症(歯肉炎)を引き起こし、進行すると歯を支える骨が溶けてしまう病気です。初期段階では自覚症状が少ないため気づきにくいですが、放置すると歯がグラつき、最終的には抜け落ちてしまうこともあります。最後に、口臭は歯垢内の細菌が食べかすのタンパク質を分解する際に発生させるガスが主な原因です。これらのリスクを避けるためにも、毎日の適切な歯垢除去が非常に重要であると認識しましょう。

自宅でできる!歯垢を徹底除去する正しいセルフケア方法

プロによる専門的なケアは口腔健康を維持するために非常に大切ですが、その効果を最大限に引き出し、日々の健康な状態を守るためには、毎日のセルフケアが何よりも基本となります。このセクションでは、無意識に行いがちな歯磨きの習慣を見直し、歯垢の除去率を飛躍的に高めるための具体的な方法についてご紹介します。

「正しい歯磨きの基本」と「補助清掃用具の活用」という二つの柱を通して、ご自宅ですぐに実践できる具体的なノウハウを解説しますので、ぜひ日々のケアにお役立てください。

基本は正しい歯磨き|磨き残しを減らす3つのポイント

毎日の歯磨きは、誰にとってもお口のケアの基本です。しかし、多くの人が行っている歯磨きも、少しの工夫と意識の持ち方で、歯垢の除去効果が大きく変わることをご存じでしょうか。

このセクションでは、毎日の歯磨きの質を高め、磨き残しを減らすための具体的な3つのポイントについて詳しく解説します。「自分に合った歯ブラシの選び方と交換時期」、「歯を傷つけないブラッシングの圧と当て方」、そして「磨きにくい場所を意識して磨く」という観点から、効率的なセルフケアのテクニックをご紹介します。

自分に合った歯ブラシの選び方と交換時期

効果的な歯磨きを行うためには、まず適切な道具を選ぶことが大切です。歯ブラシを選ぶ際のポイントとして、ヘッドの大きさは上の前歯2本分程度が目安の「小さめ」のものをおすすめします。ヘッドが小さいと、お口の奥や細かい部分にも届きやすく、磨き残しを減らすことにつながります。

毛の硬さは「ふつう」を基本としますが、歯茎の状態がデリケートな方は「やわらかめ」を選ぶと良いでしょう。また、歯ブラシは消耗品です。毛先が開いた歯ブラシでは、清掃効果が大幅に低下してしまいます。一般的に1ヶ月を目安に交換することが推奨されていますが、歯ブラシを裏側から見て毛がヘッドからはみ出しているようなら、それは交換のサインです。

歯を傷つけないブラッシングの圧と当て方

歯垢をしっかり落とそうと、ついついゴシゴシと強く磨いてしまう方は少なくありません。しかし、強い力で磨くことは、歯のエナメル質や歯茎を傷つけてしまう原因になります。適切なブラッシング圧は150~200g程度と言われています。これを意識するためには、歯ブラシを「ペンを持つように軽く握る」のがコツです。これにより、余分な力を入れずに磨くことができます。

歯ブラシの当て方については、歯の表面には毛先を直角に当て、歯と歯茎の境目には45度の角度で当てることが基本です。そして、5~10mm程度の小さな幅で小刻みに動かして磨きましょう。この方法で磨くことで、歯周ポケット内部の歯垢も効果的に除去しやすくなります。

磨きにくい場所を意識して磨く

多くの人が無意識に歯磨きをしていると、どうしても磨きやすい場所ばかりを重点的に磨いてしまい、いつも同じ場所に磨き残しが生じやすくなります。先ほどお話しした「歯垢が溜まりやすい場所」、つまり歯と歯の間、歯と歯茎の境目、そして奥歯などを常に意識して磨くことが非常に重要です。

磨き残しを防ぐための具体的なテクニックとして、「磨く順番を決めておく」ことをおすすめします。例えば、「右上の奥歯の外側から磨き始め、前歯を通って左上の奥歯まで移動する。次に、同じ順序で歯の内側を磨き、その後に下の歯も同様に磨いていく」といった一連の流れを習慣にすると良いでしょう。このように磨く順番を固定することで、磨き忘れをなくし、効率的に全ての歯をきれいにすることができます。

歯ブラシだけでは不十分!補助清掃用具をプラスしよう

どんなに丁寧に歯ブラシを使っても、歯と歯の間など、歯ブラシの毛先が届きにくい部分の歯垢は完全に除去することが難しいのが現実です。実際、歯ブラシによる清掃だけで落とせるお口全体の汚れは、わずか約60%に過ぎません。残りの40%は、主に歯間に溜まっていると言われています。

この磨き残しを放置することは、虫歯や歯周病の最大の原因となります。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具を毎日のケアに組み込むことが不可欠です。毎日全てのケアが難しい場合でも、1日1回、特に就寝前など時間のある時に補助清掃用具を取り入れるだけでも、その効果は大きく、実践のハードルもそれほど高くはありません。

デンタルフロスの正しい使い方と選び方

デンタルフロスは、歯の隙間が狭い方や、ほとんどの歯間に対応できるため、歯間清掃の基本中の基本と言えるツールです。選び方としては、指に巻きつけて使う「糸巻きタイプ」と、持ち手がついた「ホルダータイプ」があります。糸巻きタイプは、必要な長さを自分で調整でき、あらゆる歯間に柔軟に対応できるのが長所ですが、慣れるまで少しコツが必要です。一方、ホルダータイプは手軽に使える反面、細かい調整がしにくい場合があります。

使い方としては、約40cmの長さにフロスを切り、両手の中指に巻きつけます。そして、歯の側面に沿わせるように「のこぎり」を引くようにゆっくりと歯間に挿入してください。無理な力を入れずに、歯の側面をこするように上下に動かし、歯垢をからめ取ります。この動作を全ての歯間で行うことで、歯ブラシでは届かない部分の歯垢を効果的に除去できます。

歯間ブラシが効果的なケースと使い方

歯間ブラシは、加齢や歯周病の進行によって歯茎が下がり、歯と歯の間にすき間ができてきた場合に特に有効な清掃ツールです。デンタルフロスに比べて、より広い面の歯垢を効率的に除去できる点が大きなメリットとなります。

歯間ブラシを選ぶ際には、歯間の広さに合ったサイズを選ぶことが最も重要です。無理なく挿入できるものを選びましょう。サイズが合わないものを使うと、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があります。使い方は、歯間にまっすぐ挿入し、無理な力をかけずにゆっくりと数回往復させます。鏡を見ながら、全ての歯間を丁寧に清掃することが大切です。歯科医院でご自身の歯間に合ったサイズを教えてもらうこともできますので、迷う場合は相談してみてください。

セルフケアでは限界?プロによるケアが必要な理由

毎日丁寧に歯磨きをしていても、残念ながら完璧に歯垢を取り除くことは非常に難しいのが現状です。このセクションでは、なぜ歯科医師や歯科衛生士といった専門家によるケア(プロケア)が定期的に必要不可欠なのか、その明確な理由をご説明します。

ご自身で行うセルフケアだけではどうしても除去しきれない「歯石」や、細菌が強力な膜を形成した「バイオフィルム」といった強敵が存在します。これらは、お口の健康を脅かす大きな原因となるため、歯科医院が持つ専門的な器具と高度な技術がなければ、徹底的に取り除くことはできません。したがって、毎日のセルフケアと歯科医院でのプロケアは、どちらか一方に偏るのではなく、両方を組み合わせて初めて最大限の効果を発揮し、健康なお口を維持できるとご理解ください。

硬い「歯石」は歯ブラシでは除去できない

歯石は、その名の通り「石」のように硬く、歯の表面に強固にこびりついた沈着物です。これは、毎日の歯磨きで取り除ききれなかった歯垢が、唾液に含まれるカルシウムなどのミネラル成分と結びつき、長い時間をかけて石灰化したものです。一度歯石になってしまうと、ご家庭で使用する歯ブラシの毛先でこすった程度ではびくともせず、除去することは不可能になります。

さらに厄介なことに、歯石の表面はザラザラと粗いため、新たな歯垢が付着しやすい「足場」のような役割を果たしてしまいます。これにより、虫歯や歯周病のリスクがさらに高まるという悪循環を生み出しかねません。歯石を安全かつ確実に除去するためには、歯科医院で「スケーラー」と呼ばれる専用の器具を使用する以外に方法はありません。ご自身で無理に取ろうとすると、歯や歯茎を傷つけてしまう恐れがあるため、絶対に避けましょう。

細菌の膜「バイオフィルム」は専門器具でないと破壊できない

バイオフィルムとは、歯垢がさらに成熟し、その中の細菌たちが協力し合って形成する、非常に強固な「バリアのような膜」のことです。この状態は、台所の排水溝に見られるあのヌメヌメとした汚れをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

このバイオフィルムは、一般的な歯磨き粉に含まれる薬用成分や、医師から処方される抗菌薬でさえも内部に浸透しにくい性質を持っています。そのため、ご自宅でのセルフケアだけでは効果的に除去することが極めて困難です。この強固なバイオフィルムを物理的に破壊し、徹底的に除去するためには、歯科医院で行う専門的なクリーニング、特にPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる処置が唯一の有効な対策となります。

歯科医院の専門クリーニング(PMTC)でできること

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科医師や歯科衛生士といった専門家が、専用の機器を用いて行う歯のクリーニングのことです。毎日の丁寧な歯磨きでも落としきれない歯垢や歯石、そしてしつこいバイオフィルムを徹底的に除去することを目的としています。このPMTCでは、どのような処置が行われ、どのような効果が期待できるのでしょうか。次のセクションでは、PMTCの主な内容である「スケーリング」と「ポリッシング」について、その具体的な処置と得られる効果を詳しく解説していきます。

スケーリング(歯石除去)

スケーリングとは、「スケーラー」と呼ばれる専用の器具を使って、歯の表面や歯周ポケットの内部に付着した歯石を剥がし取る処置のことです。歯石は文字通り石のように硬く、歯磨きでは決して除去できません。スケーラーには、超音波の振動で歯石を粉砕する「超音波スケーラー」と、手作業で細部の歯石を丁寧に取り除く「ハンドスケーラー」があり、これらを使い分けることで、歯周病の原因となる歯石を徹底的に除去します。

歯石の除去は、歯周病の予防と治療の基本となる、非常に重要な処置です。歯石の表面はザラザラしているため、一度付着するとさらに歯垢がつきやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。スケーリングによって歯石を取り除くことで、これらのリスクを軽減し、健康な歯茎を保つことができるのです。

ポリッシング(着色汚れの除去と再付着予防)

ポリッシングは、スケーリングで歯石を除去した後の仕上げとして行われる処置です。専用の研磨ペーストを使い、回転するブラシやカップで歯の表面を丁寧に磨き上げます。この処置により、スケーリングでできた目に見えない細かい傷を取り除き、コーヒーや紅茶、ワイン、タバコなどによる着色汚れ(ステイン)を効果的に除去します。

ポリッシングには、大きく分けて二つの効果があります。一つは、歯本来の白さや光沢を取り戻す審美的な効果です。着色汚れがなくなることで、歯がワントーン明るくなり、見た目の印象が向上します。もう一つは、歯の表面をツルツルにすることで、歯垢や汚れの再付着を防ぐ予防的な効果です。表面がなめらかになることで、細菌が付着しにくくなり、虫歯や歯周病のリスクを低減することができます。

プロケアを受けるメリットと推奨される頻度

歯科医院で定期的にプロケアを受けることには、ご自身では得られない多くのメリットがあります。まず、セルフケアでは不可能な歯石やバイオフィルムを徹底的に除去できるため、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らせます。また、定期的にプロの目でチェックしてもらうことで、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療につながり、重症化を防ぐことができます。口臭の主な原因である歯垢や歯石、バイオフィルムが除去されることで、口臭が改善され、清潔感が向上するのも大きなメリットです。

さらに、着色汚れが落ちて歯がきれいになるだけでなく、ご自身の口の状態に合った正しい歯磨き方法や補助清掃用具の使い方など、個別のケア指導を受けられる点も重要です。これにより、毎日のセルフケアの質も向上し、より効果的なオーラルケアが可能になります。

プロケアを受ける推奨頻度は、一般的に「3〜6ヶ月に1回」が目安とされています。しかし、この頻度はあくまで一般的な基準であり、お口の中の状態や歯垢のつきやすさ、歯周病のリスクなどによって最適な間隔は異なります。かかりつけの歯科医師や歯科衛生士と相談し、ご自身に合った最適な頻度で定期的にプロケアを受けることが、健康な歯を長く維持するためには非常に大切です。

歯垢除去に関するよくある質問(Q&A)

歯垢を徹底的に除去し、健康な口内環境を保つためには、毎日のセルフケアと定期的なプロによるケアの両方が大切です。しかし、セルフケアの方法やプロケアに関して、「これで合っているのかな」「痛くないかな」といった疑問や不安をお持ちの方も少なくないでしょう。このセクションでは、皆さんが抱きがちな疑問や不安に対し、専門的な視点からQ&A形式で詳しくお答えしていきます。デンタルフロスの使用時の出血、歯間清掃具を使うことでの歯のすき間の変化、そして歯科医院でのクリーニングに伴う痛みや費用といった、よくある質問に一つひとつ丁寧にお答えしますので、ぜひ参考にしてください。これらの情報を通して、皆さんの口腔ケアに対する不安が解消され、より積極的に正しいケアを実践したり、歯科医院での受診に一歩踏み出したりするきっかけになれば幸いです。

Q. デンタルフロスを使うと血が出ます。続けても大丈夫?

デンタルフロスを使い始めたときに、歯茎から血が出て驚いた経験がある方は多いのではないでしょうか。フロスを使って出血すると、「歯茎を傷つけてしまったのでは」「使い方が間違っているのでは」と不安に感じるかもしれませんね。しかし、ほとんどの場合、この出血は歯茎に炎症が起きているサインであり、フロスで傷つけているわけではありません。

歯茎からの出血は、歯と歯の間に溜まった歯垢(プラーク)が原因で歯茎に炎症が起きている「歯肉炎」の典型的な症状です。歯肉炎の状態では、健康な歯茎に比べてデリケートになっているため、少しの刺激でも出血しやすくなります。この出血を恐れてフロスの使用をやめてしまうと、炎症の原因である歯垢が取り除かれずに残り、かえって歯肉炎を悪化させてしまうことにつながります。

このような場合は、フロスの使用を中断するのではなく、むしろ優しく丁寧にフロスを続けていただくことが大切です。正しい方法でフロスを継続することで、歯垢がしっかりと除去され、歯茎の炎症が次第に治まっていきます。個人差はありますが、通常は1~2週間ほどで歯茎が引き締まり、出血しなくなることが多いです。

ただし、フロス使用時に痛みが強い場合や、2週間以上経っても出血が止まらない、あるいは悪化するようであれば、他の原因が考えられる可能性もあります。その際は、ご自身で判断せずに、早めに歯科医院を受診して相談されることをおすすめします。

Q. 歯間ブラシやフロスで歯の隙間が広がりませんか?

「歯間ブラシやフロスを使うと、歯と歯のすき間が広がってしまうのではないか」と心配される声をよく聞きます。特に、歯のすき間が目立つようになることを気にされて、歯間清掃具の使用をためらってしまう方もいらっしゃるようです。

しかし、ご安心ください。歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃具を適切なサイズで正しく使用しても、健康な歯や歯茎のすき間が広がることはありません。これは、歯自体が清掃具によって削れたり、歯の位置が動いたりするわけではないからです。

では、なぜ「すき間が広がった」と感じることがあるのでしょうか。それは、歯垢の蓄積によって歯茎が炎症を起こし、腫れていた状態から、清掃によって炎症が治まり、歯茎が引き締まった結果、元々あったすき間が見えるようになったためだと考えられます。つまり、すき間が広がったのではなく、歯茎が健康な状態に戻ったことで、以前は腫れて隠れていたすき間が「見えるようになった」というのが正確な表現です。

これは、口の中が不健康な状態から健康な状態へと改善している喜ばしいサインだと言えます。歯と歯の間の歯垢を効率的に除去するためには、歯ブラシだけでは限界があります。歯間ブラシやフロスを適切に活用することで、歯周病の予防や改善につながり、結果的に歯茎が健康になり引き締まります。正しい知識を持って、安心して歯間清掃具を毎日のケアに取り入れていただければと思います。

Q. 歯科のクリーニングは痛いですか?費用はどのくらい?

歯科医院でのクリーニングに対して、「痛いのではないか」「費用はどのくらいかかるのか」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。これらの不安は、歯科受診をためらう大きな理由の一つかもしれませんので、正直かつ具体的にご説明します。

まず「痛み」についてですが、歯茎が健康な状態であれば、クリーニングで強い痛みを感じることはほとんどありません。多くの場合、気持ち良いと感じる方もいらっしゃいます。しかし、歯石が多く付着している場合や、歯茎に強い炎症(歯肉炎や歯周炎)がある場合は、処置中にチクチクとした刺激や、しみるような痛みを感じることがあります。

もし痛みに敏感な方や、以前に痛い思いをした経験がある方は、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士に伝えてください。必要に応じて、表面麻酔を使用したり、痛みが少ない方法で慎重に処置を進めたりするなど、痛みを軽減するための配慮をしてもらえます。不安な場合は、事前に相談しておくと良いでしょう。

次に「費用」についてですが、歯科医院でのクリーニングには「保険適用」と「自由診療」の2種類があります。

保険適用の場合:歯周病の治療の一環として行われるスケーリング(歯石除去)や、軽度の歯肉炎に対する歯垢除去などは保険が適用されます。この場合、自己負担額は数千円程度(3割負担の場合)が目安となることが多いです。処置の内容や回数によって変動しますので、歯科医院でご確認ください。

自由診療の場合:予防目的や審美目的で行われるPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる徹底的なクリーニングや、着色汚れ(ステイン)の除去を主目的としたクリーニングは、自由診療となることが一般的です。自由診療の場合、費用は歯科医院によって大きく異なり、数千円から数万円程度かかることがあります。

どちらのクリーニングが必要か、費用はどのくらいになるのかは、お口の状態や希望によって変わりますので、受診前に歯科医院に確認し、納得した上で治療を受けることをおすすめします。

まとめ:毎日のセルフケアと定期的なプロケアで健康な歯を維持しよう

これまでお伝えしてきた通り、歯垢は毎日の歯磨きだけでは完全に落としきることが難しい汚れです。そして、その歯垢を放置してしまうと、やがて硬い歯石へと変化し、虫歯や歯周病、さらには口臭といったお口のトラブルの大きな原因となってしまいます。

健康な口内環境を維持し、自信の持てる笑顔を守るためには、「自宅での正しいセルフケア」と「歯科医院での定期的なプロケア」の二つが、まるで車の両輪のように不可欠です。歯ブラシと補助清掃用具を効果的に使った日々の丁寧なケアで、汚れの蓄積を防ぎ、さらに歯科医院での専門的なクリーニングによって、セルフケアでは届かない部分の歯垢や歯石、バイオフィルムを徹底的に除去することが重要になります。

この記事をきっかけに、ご自身の毎日の歯磨き習慣を見直し、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具の活用を始めてみてはいかがでしょうか。そして、ぜひかかりつけの歯科医院で定期検診を受け、ご自身のお口の状態に合わせたケアのアドバイスをもらうことをおすすめします。適切なケアを継続することで、健康的で清潔な口元を維持し、毎日を気持ちよく過ごしましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

小野瀬 弘記 | Onose Hiroki

東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。

【所属】
日本放射線学会 歯科エックス線優良医
JAID 常務理事
P.G.Iクラブ会員
日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
日本口腔インプラント学会 会員
日本歯周病学会 会員
ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
インディアナ大学 客員教授
IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍

【略歴】
東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
小野瀬歯科医院 継承
新宿オークタワー歯科クリニック 開院

 

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