
新宿オークタワー歯科クリニックです。
歯を失ってしまった場合に行われるインプラント治療と、口元の見た目を整える歯並び矯正は、多くの患者様が関心をお持ちの治療法です。特に、歯の欠損と歯並びの乱れ、両方のお悩みを抱えている方にとって、どのように治療を進めていけば良いのか、インプラントで歯並びも同時に改善できるのかといった疑問は尽きないことでしょう。この記事では、インプラント治療と歯並び矯正それぞれの特性を詳しく解説し、両者を組み合わせることでどのようなメリットが得られるのか、また最適な治療の進め方について、具体的な情報を提供いたします。
はじめに:インプラントと歯並び、どちらも気になるあなたへ
歯を失ってしまった箇所の治療と、前歯の隙間や全体の歯並びの乱れ。どちらのお悩みも、口元の見た目だけでなく、日々の食事や会話にも影響を与え、多くの方が改善を望んでいます。インプラント治療と歯並び矯正、どちらも検討されているあなたへ、この記事では、それぞれの治療の特性と、両者を組み合わせることで、どのように理想的な口元と健康を手に入れられるのかを分かりやすく解説していきます。
まずは基本から!インプラント治療と歯並び矯正の違い
口元の美しさを追求する上で、インプラント治療と歯並び矯正はどちらも魅力的な選択肢です。どちらの治療も理想の笑顔へ導くものですが、その目的やアプローチは根本的に異なります。これらの違いを理解することが、ご自身に最適な治療法を見つけるための第一歩となります。
インプラント治療とは?失った歯の機能と見た目を補う治療
インプラント治療とは、虫歯や歯周病、事故などによって失ってしまった歯の機能を回復させるための治療法です。顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着することで、天然の歯とほぼ変わらない見た目と噛み心地を取り戻すことを目指します。
この治療の主な目的は、失われた歯による審美性の低下や咀嚼機能の障害を改善することです。インプラントは顎の骨と直接結合するため、天然の歯の約70%から85%もの噛む力を回復できると言われています。これにより、食事を美味しく楽しめるだけでなく、発音の改善や表情筋の維持にも貢献し、日々の生活の質を大きく向上させることが期待できます。
歯並び矯正(歯科矯正)とは?自分の歯を動かして歯列を整える治療
歯並び矯正(歯科矯正)とは、ご自身の天然の歯を少しずつ動かし、歯列や噛み合わせを整えることを目的とした治療法です。八重歯や出っ歯、受け口、すきっ歯など、さまざまな不正咬合を改善することで、口元の見た目を美しくするだけでなく、お口全体の健康維持にも繋がります。
矯正治療によって得られるメリットは多岐にわたります。審美性の向上はもちろんのこと、歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。また、正しい噛み合わせは食べ物をしっかりと咀嚼することに繋がり、消化吸収を助けるだけでなく、顎関節への負担を減らす効果も期待できます。矯正方法には、歯の表面に装置を装着するブラケット矯正や、透明なマウスピースを使用するマウスピース矯正などがあり、患者さんのライフスタイルや希望に合わせて選択が可能です。
【本題】インプラントで歯並びは改善できるのか?
失った歯を補うインプラント治療は、天然歯に近い機能を取り戻せる画期的な治療法として広く認知されています。しかし、インプラント治療を検討されている方の中には、「インプラントで歯並びも改善できるのだろうか」と疑問に思われる方も少なくありません。このセクションでは、その疑問に対し、どのような答えがあるのか、そしてどのような点が誤解されがちなのかを詳しく解説していきます。
結論:インプラント単体で歯並びを「動かして治す」ことはできない
結論から申し上げますと、インプラント単体で、天然の歯を動かすような歯並びの「治療」はできません。これは、インプラントと天然歯の構造的な違いに理由があります。
天然の歯は、歯根膜というクッションのような組織を介して顎の骨と繋がっています。この歯根膜があるため、矯正装置から弱い力を加えることで、歯が少しずつ骨の中を移動し、歯並びが整っていきます。一方、インプラントは人工の歯根を顎の骨に直接埋め込むため、顎の骨としっかりと結合し、天然歯のような歯根膜がありません。そのため、矯正治療で歯を動かすような力を加えても、インプラントは骨の中で一切動くことがないのです。
インプラントで「歯並びが整ったように見える」ケース
インプラント単体で歯並びを根本的に動かすことはできませんが、インプラント治療によって「歯並びが整ったかのように見せる」ことが可能なケースも存在します。
例えば、前歯の隙間が1〜2本程度と軽微な乱れである場合、インプラントの上部構造(人工歯)の形や大きさ、さらには装着する角度を緻密に調整することで、あたかも歯並び全体が整ったかのような見た目に仕上げることができます。これは、欠損した部分に人工歯を挿入することで、周囲の歯とのバランスを視覚的に調整するアプローチです。
しかし、これはあくまで見た目の調整であり、歯列全体の噛み合わせの改善や、根本的な歯並びの乱れを解消する治療ではありません。天然歯のように歯を移動させて歯列を整える矯正治療とは目的が異なるため、この点を理解しておくことが重要です。
注意!歯並びが悪いままインプラント治療をするリスク
歯並びが悪い状態を放置したままインプラント治療を進めることは、様々なリスクを伴う可能性があります。まず、全体の噛み合わせのバランスがさらに悪化する可能性があります。不揃いな歯列の中にインプラントを埋め込むことで、特定の歯やインプラントに過度な負担がかかり、将来的にトラブルの原因となることがあります。
次に、人工歯の形に無理が生じ、不自然な見た目になるリスクも考えられます。既存の悪い歯並びに合わせてインプラントの人工歯を製作すると、不自然な形になったり、他の歯との調和が取れなくなったりすることがあります。さらに、歯磨きがしにくくなることで、インプラント周囲炎のリスクが高まります。歯並びが悪いと清掃性が低下しやすいため、インプラントの周囲にプラークが溜まりやすくなり、インプラントを支える骨が溶けてしまう重篤な病気を引き起こす可能性もあります。
これらのリスクを避けるためには、安易な判断でインプラント治療に進むのではなく、まずは歯並び全体を考慮した根本的な治療計画を検討することが大切です。
美しい口元と健康を両立!インプラントと矯正治療の組み合わせ
失ってしまった歯と、長年気になっている歯並び、この両方の悩みを抱えている方は少なくありません。そこで、インプラント治療と歯並び矯正を組み合わせることで、機能面、審美面、そして口腔全体の健康面において、長期的に最良の結果を得られることがあります。このアプローチは、失った歯を補いながら、同時に歯並びの美しさも追求できるため、あなたの理想とする口元と自信に満ちた笑顔を取り戻すための効果的な選択肢となります。
一般的な治療順序:①矯正治療 → ②インプラント治療
インプラント治療と矯正治療を組み合わせる場合、最も一般的で推奨される治療の順序は、「まず矯正治療で歯並びを整え、その後、インプラントを埋め込む」というものです。
この順番が基本となるのは、家を建てる際に、まず土地を平らにならして基礎をしっかりと作ってから、建物を建て始めるのと似ています。矯正治療で土台となる歯並びを理想的な状態に整えることで、インプラントを最適な位置に、そして周囲の歯とのバランスも考慮して埋め込むことができるため、治療全体の成功と長期的な安定性が大きく向上します。
なぜ矯正治療が先?長期的なメリットを解説
矯正治療をインプラント治療より先に行うことには、長期的な視点で見ると多くのメリットがあります。まず、歯並びを整えることで、インプラントを埋め込むのに最適なスペースを確保できます。歯が不揃いな状態では、インプラントを入れる位置が限られてしまい、理想的な噛み合わせや見た目を実現するのが難しくなることがあります。矯正によって、計画通りの位置にインプラントを埋入できるようになるのです。
次に、最終的な噛み合わせが安定し、インプラントや周囲の天然歯への負担が軽減される点も重要です。歯並びが悪いと、特定の歯に過度な力がかかりやすく、それがインプラントの寿命を縮めたり、他の歯を傷める原因となることがあります。矯正で正しい噛み合わせにすることで、力が均等に分散され、長期的に安定した口腔環境を維持できます。さらに、顔全体のバランスを考慮した審美性の高い仕上がりを実現しやすくなるほか、インプラントや周囲の歯の寿命を延ばすことにも繋がります。これらの理由から、矯正治療を先行させることは、包括的な歯科治療における標準的なアプローチとされています。
インプラントを先に行う例外的なケース
「矯正が先」という原則が一般的ですが、患者さんの口腔内の状況によっては、例外的にインプラントを先行させるケースも存在します。例えば、奥歯など、他の歯を動かす際の固定源(アンカー)としてインプラントを利用する場合です。この場合、動かす必要のない部位に先にインプラントを埋入し、それを支点として前歯などの矯正を進めることがあります。
しかし、このようなケースは非常に限定的であり、適用できるかどうかの判断には、歯科医師による精密な検査と高度な治療計画が不可欠です。自己判断で治療の順序を決めることはせず、必ずインプラントと矯正の両方に精通した歯科医師に相談し、ご自身の状態に合わせた最適な治療計画を提案してもらうようにしましょう。
すでにインプラントが入っている場合の歯並び矯正
すでにインプラントが入っている方が、後から歯並びの改善を希望される場合でも、原則として矯正治療は可能です。しかし、いくつか知っておくべき制約があります。最も重要なのは、インプラントは顎の骨と直接結合しているため、矯正治療によって動かすことができないという点です。
そのため、治療計画はすでにあるインプラントの位置を考慮して立てる必要があり、インプラントを避けて他の天然歯だけを動かすことになります。これにより、治療の難易度が上がり、一般的な矯正治療よりも期間が長くなったり、費用が高くなる傾向があります。また、インプラントがあることで、理想とする完璧な歯並びの実現が難しいケースも存在します。このような状況で矯正治療を検討する際は、インプラントと矯正の両方に深い知識と経験を持つ歯科医師に相談し、綿密な診査診断と丁寧な説明を受けた上で、ご自身の希望と治療の限界について十分に理解することが非常に大切です。
治療前に知っておきたい費用と期間の目安
インプラント治療と歯並び矯正を組み合わせることで、理想的な口元と長期的な健康を手に入れることができますが、その実現には相応の費用と期間が必要となります。治療を決断する前に、これらの目安をしっかりと把握し、ご自身の準備と計画に役立ててください。ただし、具体的な金額や治療期間は、お口の状態や治療内容、選択する医療機関によって大きく異なるため、ここで提示する情報はあくまで一般的な目安として参考にしてください。
インプラントと歯並び矯正、それぞれの費用相場
インプラント治療と歯並び矯正は、それぞれに異なる費用がかかります。インプラント治療は、失われた歯を補うための治療で、1本あたり30万円から50万円程度が一般的な相場です。この費用には、手術費用、人工歯根(インプラント体)、アバットメント(インプラント体と人工歯をつなぐ部品)、上部構造(人工歯)の費用などが含まれます。
一方、歯並び矯正は、歯列全体を整えるための治療であり、全体矯正の場合、80万円から100万円程度が目安となります。この費用には、精密検査費用、矯正装置費用(ワイヤー矯正やマウスピース矯正など)、調整費用などが含まれるのが一般的です。もし、インプラントと矯正の両方の治療が必要な場合は、これらの費用が合算されるため、総額はより高額になることを考慮しておく必要があります。
治療にかかる期間はどれくらい?
インプラント治療と歯並び矯正は、それぞれ異なる治療期間を要します。歯並び矯正は、半年から3年程度の期間が必要とされ、歯の移動量や選択する矯正方法によって変動します。特に成人矯正の場合、骨が成熟しているため、時間をかけてゆっくりと歯を動かすことが多くなります。
インプラント治療にかかる期間は、通常3ヶ月から12ヶ月程度が目安です。これは、インプラント体を埋入してから顎の骨と結合するまでの期間(治癒期間)や、上部構造を装着するまでの期間を含みます。そして、矯正治療を先に行い、その後にインプラント治療を行う場合、これらの治療期間は合算されることになります。例えば、矯正に2年、インプラントに半年かかるとすれば、トータルで約2年半程度の期間を要すると考えられ、長期的な計画が必要になることを理解しておくことが大切です。
医療費控除の活用で費用負担を軽減
インプラント治療や歯並び矯正は、高額な費用がかかるため、費用負担を少しでも軽減できる制度を活用することをおすすめします。その一つが「医療費控除」です。医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間で、ご自身や生計を同一にするご家族が支払った医療費が一定額を超えた場合、所得税の一部が還付される制度です。
インプラント治療は、機能回復を目的とするため医療費控除の対象となります。また、歯並び矯正も、単なる審美目的ではなく、噛み合わせの改善など機能回復を目的とする場合は控除の対象となることがあります。確定申告の際に領収書が必要となりますので、治療費の領収書は大切に保管しておきましょう。具体的な手続きや対象範囲については、所轄の税務署や税理士に相談することをおすすめします。この制度を上手に活用することで、経済的な負担を軽減し、より安心して治療に取り組むことができます。
後悔しないために!信頼できる歯科医院選びの3つのポイント
インプラントと矯正治療を組み合わせた治療は、非常に専門性が高く、治療の成功を大きく左右するのは信頼できる歯科医院との出会いです。ご自身の口元の健康と美しさを長く保つためにも、歯科医院選びは慎重に行う必要があります。ここでは、後悔しない歯科医院選びのための3つの重要なポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. インプラントと矯正の両方に精通しているか
インプラントと矯正を組み合わせた治療を成功させるには、それぞれの治療に深い知識と経験を持つ歯科医師が在籍しているかどうかが非常に重要です。理想的なのは、インプラント治療を専門とする歯科医師と、矯正治療を専門とする歯科医師が密接に連携し、一つのチームとして治療計画を立ててくれるクリニックを選ぶことです。
口元全体のバランスや噛み合わせ、さらには将来的なリスクまで見据えた包括的な治療計画は、どちらか一方の分野に偏った知識では立てることができません。カウンセリングの際には、複合的な症例の治療経験が豊富であるか、また、異なる専門分野の歯科医師間での連携体制が確立されているかを確認することをおすすめします。
2. 精密な診断のための設備が整っているか
安全で確実な治療を行うためには、精密な診断が不可欠です。特にインプラントと矯正治療は、顎の骨の状態や歯の動き、顔全体のバランスなどを詳細に分析する必要があります。そのため、歯科用CTやセファログラム(頭部X線規格写真)といった高度な診断設備が整っているかどうかも、歯科医院を選ぶ上での重要な基準となります。
歯科用CTは顎の骨の形状や神経、血管の位置を三次元的に把握でき、インプラントの埋入位置や深さを正確に決定するために欠かせません。また、セファログラムは、矯正治療における歯の移動量や方向、顎の成長などを正確に予測し、治療計画を立てる上で非常に役立ちます。これらの設備が整っていることは、安全で質の高い治療を受けるための土台となります。
3. あなたの希望に寄り添った治療計画を提案してくれるか
歯科治療は、単に技術的な問題だけでなく、患者さん一人ひとりの希望やライフスタイルに合わせたオーダーメイドの計画が必要です。そのため、歯科医師が一方的に治療方針を決定するのではなく、患者さんの悩みや「こうなりたい」という理想、さらには予算や治療期間に関する希望を丁寧にヒアリングし、複数の治療選択肢を提示してくれるかどうかが重要になります。
メリットだけでなく、デメリットやリスクについても包み隠さず説明し、疑問や不安が解消されるまで真摯に対応してくれる歯科医院を選びましょう。カウンセリングの際に、質問しやすい雰囲気があるか、納得できるまで説明してくれるかといった点を確認し、安心して治療を任せられる歯科医院を見つけることが大切です。
インプラントと歯並びに関するよくある質問(Q&A)
インプラント治療と矯正治療について、ここまで詳しくご説明してきましたが、まだいくつかの疑問をお持ちかもしれません。ここでは、皆様からよくいただく質問にお答えする形で、これまでの内容をさらに深掘りしていきます。具体的な疑問を解決することで、治療選択の不安を解消し、より安心して次のステップに進んでいただけるようサポートいたします。
Q. 歯並びが悪くてもインプラントはできますか?
歯並びが悪い状態でも、技術的にはインプラント治療を行うことは可能です。しかし、長期的な視点で考えると、先に歯並びを整えることを強くおすすめします。歯並びが悪いままインプラントを入れると、噛み合わせのバランスが崩れやすくなったり、インプラントの見た目が不自然になったりするリスクが高まります。また、歯並びの乱れは、歯磨きがしにくくなる原因にもなり、インプラント周囲炎といったトラブルを引き起こす可能性もあります。
そのため、安易にインプラント治療を進めるのではなく、まずは矯正治療で歯並びの問題を根本的に解決し、その上でインプラント治療を行うことが、口腔全体の健康維持と、より長くインプラントを快適にお使いいただくための最善策となります。
Q. インプラントと矯正、どちらか一方だけで済みますか?
インプラントと矯正治療のどちらか一方だけで済むかどうかは、患者さんの現在のお口の状態と、どのようなゴールを目指すかによって大きく異なります。
もし、歯を失ってしまった部分だけが問題で、他の歯並びには全く問題がない場合は、インプラント治療単独で対応できることが多いです。反対に、歯並びの乱れだけが気になり、歯が欠損している箇所がない場合は、矯正治療だけで美しい歯並びと正しい噛み合わせを実現できます。しかし、もし歯の欠損と同時に歯並びの乱れも抱えているのであれば、インプラントと矯正治療の両方を組み合わせることが、より理想的な結果に繋がりやすいといえます。専門の歯科医師と相談し、ご自身の状態に合わせた最適な治療計画を立てることが大切です。
Q. インプラント治療後に歯並びが変わることはありますか?
インプラント自体は顎の骨にしっかりと固定されているため、矯正治療のように動くことはありません。しかし、インプラントの周囲にある天然の歯は、加齢や日々の噛み癖、歯ぎしりといった要因によって、少しずつ位置が変わることがあります。そのため、インプラント治療後、時間の経過とともに、天然歯が移動してインプラントとの間にわずかな隙間が生じたり、歯並び全体が変化したように感じることが稀にあります。
このような変化を最小限に抑え、長期的に安定した状態を保つためには、矯正治療後に使用する保定装置(リテーナー)の継続的な装着が重要です。また、定期的な歯科検診で噛み合わせの状態をチェックし、必要に応じて微調整を行うことで、インプラントと天然歯の調和を保ち、美しい口元を維持することができます。
まとめ:インプラントと矯正の最適な組み合わせで、自信の持てる笑顔を手に入れよう
この記事では、失った歯の機能回復と歯並びの改善という、多くの患者さんが抱える二つの悩みに焦点を当て、インプラント治療と矯正治療の最適な組み合わせについて詳しく解説しました。
重要なポイントをまとめます。
インプラントは失った歯の機能と見た目を回復させる治療であり、インプラント単体で歯並びを動かすことはできません。しかし、軽度な歯並びの乱れであれば、人工歯の形や配置を工夫することで、見た目を整えることは可能です。
根本的な歯並びの改善と、欠損歯の治療を同時に行う場合は、矯正治療とインプラント治療を組み合わせることが最も効果的で、長期的な安定と審美性をもたらします。
治療の基本的な順序は「矯正治療で歯並びを整え、その後にインプラント治療を行う」ことです。この順序により、インプラントを理想的な位置に埋入でき、全体の噛み合わせのバランスも良好に保たれます。
すでにインプラントが埋入されている場合でも矯正治療は可能ですが、インプラントは動かせないため、治療計画に制約が生じます。
費用と期間は、インプラント治療が1本あたり30万~50万円、矯正治療が80万~100万円程度が目安となり、両方を組み合わせる場合はこれらの費用が合算され、治療期間も長くなる傾向があります。医療費控除を積極的に活用し、費用負担を軽減することも大切です。
治療の成功を左右するのは、信頼できる歯科医院選びです。インプラントと矯正の両方に精通し、精密な診断設備が整っており、患者さんの希望に寄り添った治療計画を提案してくれる歯科医院を選ぶことが後悔しないための鍵となります。
インプラントと矯正治療は、それぞれ異なる目的を持つ治療ですが、適切に組み合わせることで、失った歯を取り戻し、美しい歯並びと健康的な口腔環境を同時に実現できます。正しい知識と情報に基づき、ご自身の状況に合わせた最適な治療を選択することで、自信の持てる美しい笑顔を手に入れてください。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
東京歯科大学卒業後、千代田区の帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科・新有楽町ビル歯科に入職。
その後、小野瀬歯科医院を引き継ぎ、新宿オークタワー歯科クリニック開院し現在に至ります。
また、毎月医療情報を提供する歯科新聞を発行しています。
【所属】
・日本放射線学会 歯科エックス線優良医
・JAID 常務理事
・P.G.Iクラブ会員
・日本歯科放射線学会 歯科エックス線優良医
・日本口腔インプラント学会 会員
・日本歯周病学会 会員
・ICOI(国際インプラント学会)アジアエリア役員 認定医、指導医(ディプロマ)
・インディアナ大学 客員教授
・IMS社VividWhiteホワイトニング 認定医
・日本大学大学院歯学研究科口腔生理学 在籍
【略歴】
・東京歯科大学 卒業
・帝国ホテルインペリアルタワー内名執歯科
・新有楽町ビル歯科
・小野瀬歯科医院 継承
・新宿オークタワー歯科クリニック 開院
新宿区西新宿駅徒歩4分の歯医者・歯科
『新宿オークタワー歯科クリニック』
住所:東京都新宿区西新宿6丁目8−1 新宿オークタワーA 203
TEL:03-6279-0018




















